女性が建築家になることをおすすめする理由
すべての女性が建築家になるべきというわけではありません。
今日は、建築という職業が女性にとって持つメリットを紹介します。
建築家という道を進むべきか悩んでいる女性、高校生や大学生の皆さんの参考になれば幸いです。
育児などでブランクがあっても復帰しやすい
建築士の世界では、ポートフォリオ(作品集)が評価の基準となるため、スキルと資格があれば再就職しやすい環境が整っています。
一級建築士や二級建築士の資格を持っていれば、たとえ出産や育児で2年のブランクがあっても、十分に仕事を得ることが可能です。
むしろ、子育て世帯向けの住宅や保育施設など、子育て経験があることでより良い提案ができる分野もあります。
実際に私の友人にも、35歳で世界一周旅行に1年間出た方がいますが、帰国後の再就職も難なく成功しました。
建築家になるには長い学びの期間が必要です。建築系の大学で4年間、大学院に進めば6年間学ぶのが一般的です。思いつきでなれる職業ではないからこそ、スキルと経験がしっかり蓄積され、ブランクにも強いのです。
会社では女性建築士は珍しくない
確かに、Zaha Hadidのような世界的な巨匠建築家には女性が少ないのが現状です。しかし、設計事務所などで建築士として働く女性は決して珍しくありません。
例えば、『子育てしながら建築を仕事にする』という書籍では、組織系事務所、個人事務所などで働く女性建築士たちのリアルな声が紹介されています。
高校生や大学生も、今のうちに読んでおくことで、将来のキャリアパスを考えるうえで非常に役立つはずです。
年齢と共に給料が上がる職業
年齢を重ねるごとに給料が下がってしまう職種も多い中、建築の世界ではむしろ年齢と経験が価値となります。
40代になればプロジェクトの規模も大きくなり、スタッフを持つ立場にもなれるため、収入面も安定していきます。
「将来への不安を減らせる」という点でも、大きな魅力があります。
人間関係のストレスが少ない職場環境
職場の人間関係で悩む方は少なくありませんが、建築設計の現場は比較的穏やかな人が多い傾向があります。
スケッチや模型作りが好きな「オタク気質」の人が多く、協力しながらプロジェクトを進める文化が根付いています。
もちろん意見のぶつかり合いはありますが、プロジェクトが終わればチームも変わるので、長く引きずるような関係にはなりにくいのです。
ちなみに私自身は、設計の案で衝突した際、基本的には相手に従います(笑)。なぜなら、頑張って自分の案を通しても給料が上がる保証はなく、クライアントが気に入らないこともあるからです。
それなら早く終わらせて帰る方が得策です。
過去の自分の成長が「形」として残る
私が考える最大の魅力は、自分の成長が建物として街に残ることです。
AIや最新ソフトの習得、英語を学んで国際コンペに挑戦するなど、スキルアップを続ければ続けるほど、より大きなプロジェクトに関わることができるようになります。
ある日立ち止まって振り返ったとき、自分が設計した建物が人々の生活の一部になっていると気づいたとき、大きな誇りと達成感を感じられる職業です。
もちろん、建築家の道は決して平坦ではありません。しかし、それだけに得られる充実感ややりがいは計り知れません。
これから建築家を目指す皆さんが、自分の可能性を信じて前向きに歩んでいけることを願っています。