みなさんは設計する時、「この建築のここがいい」、「あの建築のここを採用しよう」という風に、局部をつなぎ合わせようとしていませんか? それでは、非常にまとまりにくいです。私も最初は、そんなミスをしました。 そして気づいたのが、「 設計の一番最初はボリューム・スタディをすべき 」...

建築ボリュームスタディとは?具体的な方法も

 

 

みなさんは設計する時、「この建築のここがいい」、「あの建築のここを採用しよう」という風に、局部をつなぎ合わせようとしていませんか?


それでは、非常にまとまりにくいです。私も最初は、そんなミスをしました。

そして気づいたのが、「設計の一番最初はボリューム・スタディをすべき」だということです。

今日は、建築設計の第一歩:ボリュームスタディの方法について。

建築ボリュームスタディとは

簡単にいうと、建築の概形を決める作業です。

いくつかプレインストーミングした中から最適なものを選んで、更に詳細化していきます↓

設計では参考事例を見つけることが多いですが、ボリュームスタディと同じプロポーションの事例を選んだ方が、のちの作業がスムーズに進みます。

また、案を全面的に変えなければいけない時も、ボリュームスタディで建築のプロポーションを把握しているので、ゼロからの再スタートにはなりません。


上達する方法1. 建築の生成過程を見る

ボリュームスタディを勉強する一番の方法は、「建築の生成過程」を見て、ノートにスケッチと簡単な言葉でまとめることです。

こういう風に:
BIGの公式サイトにたくさん載っているので、ぜひ頑張って読み解いてください。


上達する方法2.ボリュームの基本形を覚える

高校までの勉強法を思い出してみてください:公式を覚えてから、簡単な問題を解いて、そして応用問題を解きますよね?

大学でもこの基本は変わりません。ボリュームの基本形を覚えておけば、 自分の創作もスムーズに進みやすくなります。

下のコルビジェが描いたスケッチを見てください。自分の代表作をボリュームで表しています:
1はラ・ロッシュ邸で、複数の小さなボリュームをつなげて、一つの建築にしています。コルビジェはこの方法は簡単だとメモしています。

2はシュタイン邸で、一つの立方体にすべての機能を詰め込んでいます。この方法は難しいとメモしています。

3はベゾー邸で、フリープランで設計されています。構造を先に決めた後で、自由に間仕切り壁を挿入しています。この方法も簡単だそうです。

4はサヴォア邸で、上記の全ての方法を組み合わせています。



上達する方法3. 扱いやすい材料で

ボリュームスタデイの材料は、思いついた形をすぐに具現できることが大事です。レゴ、粘土、手描きスケッチ、積み木などなんでもかまいません。

私の上司は、その時にたまたまテーブルに転がっているスタイロの切れ端、消ゴム、ペン、ホッチキスなどを使います。

フランク・ゲーリーは紙を丸めるとの噂です↓


藤本壮介さんの「2015年シカゴ建築ビエンナーレの展示品」も、身近なもので建築を作っているので、ヒントになりそうですね↓






上達する方法4.スピーディに 

ボリュームスタディの最初は、ブレインストーミングする感覚で、細部にはこだわらず5分に一つ案を出しましょう。

この時間制限が、脳をほどよい緊張感に保ってくれるのです。

そして、「これはいけそうだ」と思う案が見つかったら、その案に時間をかければいいのです。
 
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