今日は、設計のプロセスについて。 設計をしようとして、机の前に座ったものの、なにも案が浮かばないまま2時間経っていた という経験のある学生のみなさんが、一步先に進むヒントになれば幸いです。

設計が上達する方法1:ロジカル性だけで立派な建築はできる

 
今日は、設計のプロセスについて。

設計をしようとして、机の前に座ったものの、なにも案が浮かばないまま2時間経っていた

という経験のある学生のみなさんが、一步先に進むヒントになれば幸いです。

コンセプトなんてなくてもいい

設計の第一歩が踏み出せない方は、「この地の課題を解決してあげよう、または今までの建築の理念を覆すようなコンセプトを考えよう」と力を入れすぎていませんか?


実は設計コンセプトなんてなくても、

敷地(日光、騒音、周辺建物との調和、高さ制限、セットバック、機能などの設計の制約)にロジカルに答えるだけで、いい建築はできるのです。


「どちらが優れている」というわけではありません。どちらも社会で必要とされている能力です。


実例で設計プロセスを見てみよう

では、JDS Architects設計の「Euralille Youth Centre」の設計プロセスを見てみましょう。フランスのLille市にあるユースセンターのコンペ優勝作品です。


ユースセンターとは:
ユース世代(中・高校生世代)が放課後の余暇活動を過ごす場所のこと(中略)若者たちの秘密基地であり、若者たちの意思決定が絶対の場所 。


まずはレンダリングから↓






一見普通の建物だって?


見どころはここまで至った過程です:





設計条件はけっこう複雑
三角形の敷地
延床面積6000平米
21mの制限高
3つの機能
(幼稚園、ユースホテル、オフィス)







3つの機能を三角形の角に配置することで、
プライバシーを保ちながら、
繋がりがもてる形に。
周囲は自動車道であるため、
中庭を設けて
都会の喧騒から逃れられる空間に。







三角の頂点を高くする
なぜか?





お互いに遮らない眺望を得るため







都市との繋がりを保つため







頂点を削って展望窓にすることで、
都市との繋がりを保つ。






幼稚園棟は、子供が遊ぶための中庭と屋上広場を設ける。








オフィスは静かに作業できる環境が必要なので、採光窓のみ。





ユースホテルは、南の太陽をいっぱいに吸収できるテラスを。




完成した実物がこれ↓




インテリア↓






図面と模型写真↓






コンセプトがなくても、ロジカルに設計プロセスを示せばよい

いかがでしたか?

若者はここが問題だ!若者はこうあるべきだ!」のような上から目線なことは一切言っていません。


その代わり、
周りが自動車道だから中庭を設けた、
子供は運動する場所が必要だから、屋上の広場を設けた、
オフィスは直射日光が挿すと作業しにくいので、北向きの窓を配置した

など、ロジカルに建築のフォルムを導き出しているだけです。それでもコンペで優勝できるのです。


もともと建築学科に進んだのは、「設計センスがいい理系学生だから」という方も多いのではないでしょうか。

それなら、社会学者のような役割を果たそうとせず、ロジカルに建築のフォルムを導き出すのを得意としているはずです。


このロジカルさを評価しない学校は優秀な設計者になる可能性がある学生の将来を潰しています。
 
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