下手したら平面図、立面図よりも奥深い 建築ダイアグラム。 学校でも求められますし、実務でも描きます。しかし、体系的に教えている教材はほとんどありません。 そこで、数回に分けて 建築ダイアグラムの描き方 を紹介していきます。一回目の今日は、ダイアグラムの種類について。 ...

建築ダイアグラムの描き方1:ダイアグラムの種類を参考事例と共に紹介していくよ。

 
下手したら平面図、立面図よりも奥深い建築ダイアグラム。

学校でも求められますし、実務でも描きます。しかし、体系的に教えている教材はほとんどありません。

そこで、数回に分けて建築ダイアグラムの描き方を紹介していきます。一回目の今日は、ダイアグラムの種類について。

最初に、ダイアグラムを描く目的を決める


まず、ダイアグラムで「何を伝えたいのか」を決めましょう。

目的地が分からないと出発はできないのでw

建築では大きく分けて、以下のためにダイアグラムを描きます。
  1. パブリックとプライベートの関係を示す
  2. 複数案を比較する
  3. 建築が生まれた過程を示す
  4. 建築の構成を示す
では、それぞれの実例を見ていきましょう。

ダイアグラムを勉強する一番の方法は、「実例を見ること」なので(断言)。


パブリックとプライベートの関係を示すダイアグラム

建築では、パブリックとプライベート空間の関係を非常に大事にします

こちらは、OMA設計の図書館の断面図↓


黒がプライベート空間(本など)、白がパブリック空間(読書スペースやカフェ)を表しています。

白黒の真反対の色は、グラフィック的にインパクト大ですね。

断面図がダイアグラムになることも覚えておきましょう。

ちなみに、OMAのダイアグラムは分かりやすく、実際に建った建築も多いので、ダイアグラムと実際の建物を見比べると非常に勉強になります。


複数案を比較するダイアグラム


複数案を比較する時、同じ角度で並べると分かりやすいです。

上は、The Endless Cityという本から。香港、ニューヨーク、メキシコシティ、ロンドンそれぞれの人口密度を示しています。

香港の人口密度がどれだけ高いかが、ひと目で分かりますね。数字よりも分かりやすいのではないでしょうか。

The Endless Cityは、都市を直感的なダイアグラムで表しているので、都市計画の勉強になる本です。


建築が生まれた過程を示すダイアグラム


建築が生まれた過程をダイアグラムで示すこともよくあります。

上は、B.I.G.のダイアグラム。

左の図が、建築に入る「機能」。右の図は、これらの機能の建物内での配置を表しています。


このダイアグラムから以下が分かりますね:
  • 各フロアに一学科ある
  • どの学科も丸い公共空間空間を囲むように配置されているこ
  • 各学科独自の出入り口を持つ

文章で説明されるより説得力がありますね。BIG公式サイトでは、ダイアグラムを多数公開していて、とても参考になります。

ちなみに、「BIG風ダイアグラムの作り方」は、BIGで勤務していた方が動画にしています↓使用ソフトは、Rhinoとイラレ。


こちらの過去記事も参考にしてください。

建築の構成を示すダイアグラム


同じくBIGのダイアグラムです。建築を分解して、縦に広げていますね。

アクソメだけでも十分情報量が多いですが、このように分解しすると、「実体模型と同じくらい建築の構成が分かりやすい」のではないでしょうか。

「分解ダイアグラム」の作り方はこちらの記事で紹介しています。


 
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