旅行は設計の刺激になるので、建築&都市計画に携わるものにとって、大事なイベントです。
そこで今日は、建築や都市計画専攻の方が面白い海外旅行先を集めました。
ニューヨークやパリのようなメジャーなところは避けて、できるだけマイナーなところを集めました。
アメリカ・シカゴ
シカゴは、ニューヨークやサンフランシスコと比べたら無名ですが、実は近代建築の発展に、より重要な役割を果たしています。なぜなら、シカゴは1871年に大火事に見舞われ、多くの建物が灰となりました。その再生の過程で、「シカゴ派」と呼ばれる建築スタイルが出現したのです。
それを代表する建築家が、あのフランク・ロイド・ライト。
シカゴ郊外のOAK PARKには、なんとライトの自邸を含め、彼の作品が25棟もあります!まさにライト作品の宝庫!内部見学もできますので、予約を忘れずに!
ライトの自邸兼仕事場↓
また、その後、第二次世界大戦の時は、ナチスの迫害から逃れるため、ヨーロッパから多くの知識人がシカゴに移り住みました。その一人があの「ミース・ファン・デル・ローエ」。シカゴのは彼の作品をたくさん残っています。
シカゴへは、成田から直行便で12時間ほど。西海岸(ロサンゼルスやサンフランシスコ)でちょっと遊んでから行くのがおすすめです。
こちらの記事で詳しく書きましたので、参考にしてください。
中国・重慶
社会人になってから長期休暇がとれないですよね。そこでおすすめなのが、直行便で6時間ほどの「中国・重慶」。山岳に建つ、独特な立体都市です。重慶の立体的な構造↓
エレベーターで10階に行って自動車道に出たり、5、6階に駐車場があって、その下が住宅になっていたりと、とても面白いです。
建築で一番有名なのが、「洪崖洞」。レストラン、ショッピング、劇場、ホテルが入った複合施設です。「巴渝」という高床式の建築様式の建築で、「千と千尋の神隠し」の油屋そっくりなんです!
洪崖洞↓
ちなみに、重慶は激辛鍋が名物ですが、私はそれで気分が悪くなりましたので、気を付けて下さい。
また、重慶からバスで二時間で、世界遺産にもなった「武隆カルスト」の到着です。「トランスフォーマー4」の撮影場所です。
武隆カルスト↓
重慶へは、日本から直行便で6〜7時間。北京や上海でちょっと遊んでから乗り継いで行くこともできます。
おすすめの旅行時期は春と秋。重慶は「中国三大かまど」の1つなので、夏は灼熱。避けるのがいいでしょう。
ホテルは、洪崖洞近くの4つ星〜5つ星の国際チェーンホテルが安全なので、おすすめです。
中国・北京
言わずと知れた古都。大気汚染ばかり注目されていますが、文化、建築共に最高の都市です。天安門や故宮のような歴史的建造物はもちろん必須ですが、私が注目してほしいのは、中国の現代デザイン。
近年中国では、モダンな中国要素を織り込んだ場所が、一気に増えました。中でも、北京や上海はその最先端を行きます。
例えば、「三里屯」。周りに各国の大使館が集中しているため、中国と西洋がミックスした独特な場所です。おしゃれなデザインショップが集中しているので、夜に散策するのがお勧めです。
三里屯↓
もう一つの見どころが、四合院!中庭がついた北京の伝統的な民居で、現存するものはほとんどが清〜1930年代に建てられています。最近は再利用が流行っており、レストランやカフェとして楽しめます。
四合院に開設された高級レストラン「The Georg」↓
もう一つの名物が、北京ダック。有名なお店は:全聚德、四季民福、大董、便宜坊の4つ。
全聚德が一番の老舗ですが、私おすすめは「四季民福」。故宮近くにあるので、窓際の席なら故宮を見ながら食事できます。しかも、半羽3000円ほど案外お手頃です!
北京は日本からは、直行便で4時間と近いので、三連休を利用して行くこともできます。
おすすめの旅行時期は春、夏、秋。青森と同じ緯度に位置しているので、冬はけっこう冷え込みます。
宿泊には、ぜひ四合院を改築した民宿を体験してくみてください。
モロッコ・マラケシュ/カサブランカ
アフリカとヨーロッパの文化が交じわるモロッコ。おすすめの都市はマラケシュとカサブランカ。市場に並ぶ雑貨から、レストランのテーブルの模様まで、このカラフルで異国情緒あふれる雰囲気は他では味わえません。
例えば、マラケシュにある、「Jardin Majorelle庭園」。イブサンローランという有名なファッションデザイナーの個人庭園です。
大都市周辺には、個性的な村もたくさんあります。例えば、こちらは「シャウセン」。村が全て濃淡が違うブルーで塗られています。
モロッコ最大の都市:カサブランカには、10万人が収容できる巨大モスク:「ハッサン2世モスク」があります。実は1993年から建てられた現代建築で、屋根が開閉したり、床暖房が備えていたりと、モスクなのにかなりハイテクなんです。
伝統的なデザインと近代的な設備の融合を楽しんでください。
モロッコへは飛行機で片道16時間以上かかるので、気軽には行けないので、学生さんや長期休暇がとれる方はぜひ。
おすすめの旅行時期は、気温が快適な春と秋。夏は酷暑で、40℃を超えることもあるそうです。
マラケシュでのおすすめの宿泊先は旧市街のリヤド。モロッコの民家を改築しているので、「THE モロッコ建築」を体験できます。
スペイン・バルセロナ
アントニオ・ガウディが建築を勉強した場であり、世界で最も多く彼の作品が見られる都市。「アントニ・ガウディの作品群」として、世界遺産に登録されています。行く前にガウディについて勉強していきましょう。面白い逸話がけっこうあります。
サグラダファミリア教会↓
また、「グエル公園」はもともと住宅として設計されましたが、当時は新鋭すぎたためか、購入者がガウディ本人と依頼したクライアントのみ(笑)。結局市に寄贈され公園になったそうです。
グエル公園からバルセロナを一望↓
FCバルセロナの本拠地でもあるので、建築以外でもいい刺激が受けられるでしょう。試合は見れなくても、スタジアムツアーはほぼ毎日開催されています。
スペインまでの所要時間は約18時間。年中温暖で過ごしやすいので、一年中旅行に向いています。