しかし、みなさんは建築家であって、平面デザイナーではありません。プレボのレイアウトに何日間もかけるのは、本来お門違いなのです。
それを防ぐもっとも簡単な方法が、「プレボを全てモノトーンで作ること」です。つまり白、黒、グレーとテクスチャーのみでプレゼンボードを作ることです。
「え?手抜きじゃない?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。実は今まで以上に造形力が見られますし、一枚一枚ドローイングも手抜きできません。
今日は、簡単なようでセンスを必要とする「モノトーンのプレボ」の事例を紹介します。
1.
シンプルに見えて、これ一枚に配置図、コンセプト、パースなど、建築の概形を表す図面がすべて載っています。
一番上の配置図をみてください。地面にテクスチャーを付けているので、一気にメリハリがつきますね。これがグレーで一色で塗っていたら、プレボが「薄ぺらっく」なってしまうでしょう。
2.
背景にグレーを使った事例。縦三等分に分けられたプレボは珍しいですね。
3.
立面図の土を真っ黒に塗りつぶして、そこに白い線で平面図を載せています。余分な要素がない、ミニマムなスタイルといえるのではないでしょうか。
4.
パース、断面図、アクソメ、配置図と非常に多くの情報を含みながら、全くゴチャついていないプレボ。一番下にの断面図のレイアウトは参考になるのではないでしょうか。
5.
簡単そうに見えて、背景の色が微妙に濃淡が違うグレーを使ったりと、非常に細かい仕掛けがされています。
こういう色の操作は実際の建築設計にも活かせるので、一石二鳥です。
Khoa Vuさんの作品で、アメリカのUCバークレーの建築学科でEisner Prizeを受賞した学生さんです。
こういう色の操作は実際の建築設計にも活かせるので、一石二鳥です。
Khoa Vuさんの作品で、アメリカのUCバークレーの建築学科でEisner Prizeを受賞した学生さんです。