建築の法律や構造の知識は、短期間でも攻略できますが、設計力は長期間の磨きが必要です。 そのため、あの手この手と手法を変えて練習しなければいけません。恋愛と同じで、いつも同じ手法だと、脳が飽きてしまいますので(笑)。 今日は、私おすすめの「 建築設計力をアップさせる方法 」を紹介します。

建築設計力をアップさせる方法

 


建築の法律や構造の知識は、短期間でも攻略できますが、設計力は長期間の磨きが必要です。

そのため、あの手この手と手法を変えて練習しなければいけません。恋愛と同じで、いつも同じ手法だと、脳が飽きてしまいますので(笑)。

今日は、私おすすめの「建築設計力をアップさせる方法」を紹介します。

あらゆる形が建築のインスピレーションになる

建築設計はあらゆるものがインスピレーションになります。むしろ、建築以外の分野を見た方がオリジナリティが出やすいです。


例えば、日頃から、建築とは関係なくても、「かっこいい形」を描き留めて、「これを建築にしたらどうなるんだろう」と想像してみてください。

例えば、コルビジェ設計のこの建築の屋根は、牛の角からヒントを得ています。


コルビジェ本人によるスケッチ↓


ランドスケープ、写真、ファッション、絵画などのデザイン系職業の優秀作品も、最低年一回はチェックすべきです。

例えば、こちらは、Theo Van Doesburgの絵画「Rhythm of a Russian Dance」。


フランク・ロイド・ライトの住宅の平面に似てません?↓

または、日常生活から心地よい空間を見つけて、建築で再現する努力もできます。

例えば、手塚貴晴さんは、二人で土手に座ったときの感じからヒントを得て、「屋根の家」 を設計したそうです。


または、昔CMで有名になったハワイの「モンキーポッド」という樹木。
木陰にもぐり込みたい衝動に駆られません?

「どうしてそういう気持ちになるのか?」を分析して、「建築で同じ環境を再現できないか」を考えるのです。

伊藤豊雄さん設計の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は、ここからヒントを得ているのではないか、と私は密かに思っています。。。



日用品を建築スケールにまで拡大して、内部空間を想像してみてもいいでしょう。

例えば、卵パックをひっくり返すと、下に面白い空間ができますよね。建築にするんだったら、どういう機能に向いていて、どういう柱にすべきかを想像してみるのです。

藤本壮介さんも、「シカゴ・ビエンナーレ」で、日用品で建築を作っています↓




ペーパークラフトも建築になりそう。



積木などのおもちゃで遊んでみる

スケッチをしたり、建築雑誌や本だけで勉強していると、建築を3Dで、しかも上から観察する機会が案外少ないです。

そのため、おもちゃで設計してみてください。

例えば、Duplo、積み木、マグネットブロックをデスクに置いておくべきだと思います。

Duploは、レゴの幼児向けバージョンで、普通のレゴよりも一回り大きいので、覗き込んだりして空間を想像しやすいです。


有名建築の設計過程を知る

有名建築の完成品だけを見ずに、「どのようにその形に至ったか」を知るようにしましょう。

数学と同じで、答えだけを覚えるより解く過程を知る方が大事なのです。

過去記事でも紹介しました:


既存建築の不満点を見つける

新しいアイディアを思いつくのは難しいですが、他人の粗探しは案外簡単です(笑)

思い切り性格を悪くして、既存建築の問題点を見つけてみてはいかがでしょう。

例えば、図書館の問題点を探してみましょう:
  • 本を読む以外に立ち寄る理由がない
  • 心地よい席が見つかりづらい
  • 高齢者の利用率が低い
などがありますね。

そして自分の建築でこれらの問題を解決するのです。その時、全く違う機能と足し合わせてもいいでしょう。

例えば、MVRDV設計の「Markthal」は、住宅と市場を足し合わせています。

これによって、露天市場は暑すぎるという問題と、日常生活で料理するのが面倒くさいという二つの問題をいっぺんに解決しています。



写真より図面で覚える習慣を

雑誌に載るきれいな建築写真をいくら眺めても、建築の設計力は上達しません。建築写真はカメラマンが撮ったものなので、空間の勉強にはならないのです

それよりも、建築図面をよく見ましょう。

コンセプトをどのように平面図に落とし込んでいるかは、自然と身につくものではなく、暗記が必要です。

おすすめの本を数冊紹介しておきます:

 
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