建築設計に建築史は必要なのでしょうか?必要だとしたら、どういう風に役立つのでしょうか?
建築学生は、勉強しなければいけないことが山ほどあるので、「ギリシャの柱」なんかについて勉強したくありませんよね。
建築史にどれだけ時間をかけようか迷っている方は、この記事がヒントになればと思います。
建築史は設計に必要?
答えは、とても必要な人もいれば、ちょっとだけ必要な人もいれば、全く必要じゃない人もいます。
要は、その人の設計次第です。
建築家は、お医者さんと似ていて、それぞれ専門分野があります。
手術を全くしないお医者さんがいるのと同じように、建築史を全く使わない建築家もいるのです。
けれど、意匠系なら、歴史を知っておくと役立つ可能性が高いです。
歴史的建築のデザインを現代風にアレンジしたり、自分の建築を歴史に則ってプレゼンすると、賢く聞こえます。
建築史を使った建築の実例
建築史を使った建築設計の事例を紹介します。
一つ目は、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャース設計の「ポンピドゥー・センター」。なぜここまで称えられているのか不思議だと思いません?
敷地は、18世紀にパリの中心だった場所で、古いルネッサンス建築だらけでした。
2人の建築家は、それを受け継ぐのではなく、あえて真反対の建築を作りました:
建築設備や構造体、階段を建物の外に置き、間仕切り壁がないオープンな空間にしたのです。
その結果、様々な展覧やイベントに対応できる建築になりました。
こういう画期的な建築をつくるには、それまでにどういう建築が建てられたかを知らないとできません。
建築の歴史をコンパクトにまとめたのが、「世界の建築家 解剖図鑑」。夏休みなどの長期休暇中など、時間に余裕があるときに読むのをおすすめします。