建築界では、コンセプトがないと、「ただのビル」になり、コンセプトがあって初めて建築に昇格できます。
そこで今日は、「コンセプトって何?」という方のために、建築の設計コンセプトについて解説していきますね。
建築の設計コンセプトとは
コンセプトとは、自分の設計した建築が、ビルとどう違うのかを一言で説明することです。
しかも。「建築の形態に影響するもの」でなければいけません。
BIGが設計した文化センターを例にとると、
普通のビル↓
コンセプトがある建築↓
ここでは、周りの環境と高低差に合わせて、建築を5つの方向に回転させています。
形態だけ見ると、「 違いはこれだけ?」と拍子抜けするかもしれませんが、
この形態にたどりつくまでには、敷地分析と、使用者の習慣に関する分析が必要です。
この形態にたどりつくまでには、敷地分析と、使用者の習慣に関する分析が必要です。
設計コンセプトを瞬時に思いつくようになろう!
コンセプトは、課題が出されて2日、3日以内に数個思いつけるようになる必要があります。
設計課題が高評価だったり、コンペで勝つ人は、日頃思いついたコンセプトを書き留めた「ネタ帳」を持っている人が多いです。
そして、課題が出されたら、その中から適したコンセプトを選ぶだけ。
間違っても「コンセプトを決めるのに一ヶ月かけた」、なんてことがないようにしてくださいね。
こちらの記事で、機能別にコンセプトとその事例をまとめてみました↓
設計コンセプトの勉強方法
では、ゼロからコンセプトを勉強するにはどうすればいいのでしょう?
実は設計コンセプトはそんなに種類はありません。30個も覚えれば、新しいものを目にすることは少ないでしょう。
おすすめの方法は、私の建築手法を読みながら、「敷地、コンセプト、建築の形態」の3つを簡単な言葉やダイアグラムで書き留める方法です。
おすすめの方法は、私の建築手法を読みながら、「敷地、コンセプト、建築の形態」の3つを簡単な言葉やダイアグラムで書き留める方法です。
例えば、台中メトロポリタン・オペラハウスの設計に関する記事を読んだら、このようにまとめます:
敷地:都市部の大きな公園
設計コンセプト:公園が建築内にまで連続する建築
建築の形態:
この作業を続ければ、課題が出された瞬間に、コンセプトが何パターンか思いつくようになります。
繰り返しますが、コンセプトをどう形にするかが山場であって、コンセプト自体を思いつくのに時間をかけないでください。
同じコンセプトでもできる建築は様々
同じコンセプトでも、建築は様々な形態になります。例えば、BIGの「8 House」は、先ほどの「台中メトロポリタン・オペラハウス」と同じ「外部の環境を内部に持ち込む 」というコンセプトですが、
こちらは「自転車でも登れるスロープ」を住宅の外廊下と兼用しています:
設計コンセプトはなくてもいい?
これは学校によります。
私の大学はコンセプトがないと、どんなに造形力があっても評価されない感じでしたが、学校によっては造形力とプレゼン力があれば、コンセプトは弱くてもかまいません。
私の大学はコンセプトがないと、どんなに造形力があっても評価されない感じでしたが、学校によっては造形力とプレゼン力があれば、コンセプトは弱くてもかまいません。