建築パーツごとの設計方法:入り口編

 

人の顔を描く時を考えてみてください。全体のバランス以外に、目、口、鼻など一つ一つのパーツをうまく描けなければいけませんよね。


それと同じで、建築も全体の構成以外に、入り口、開口部、壁など、それぞれをうまく設計するのも重要です。


そこで、今日は、入り口の設計手法をいくつか見ていきましょう。もちろんこれだけではありませんが、基本パターンを覚えないと応用はできないので。


1.広場を通ってから入る

いきなり建築内に入るのではなく、広場から入る手法です。

例えば、「V&A Museum」。美術館前に「曖昧な門」がある広場を作ることで、建築と都市を自然につなげています。


2.一段降りて入る

入り口を一段下がったところに設置する方法です。入り口を地上の喧騒から離すことで、より静かなに入り口にしています。

例えば、「京都市京セラ美術館」。

スロープを下りながら、ガラス窓で美術館内を眺めて建築に入ります。


3. 壁で誘導してみる


壁に沿って歩くと、自然と建築に入る方法です。

安藤忠雄さんがよく使う手法ですね。「光の教会」や「成羽町美術館」で見うけられます。



4. 橋を渡って入る

橋を渡って建築に入る手法。このように高低差がある敷地におすすめです↓



5.水を渡って入る


水面上の橋を渡って入る手法です 。儀式的なので、美術館や宗教建築に適しています。


6.二棟の間から入る

建築の「割れ目」から建築に入る手法。建築の裏にある景色を鑑賞しながら入館できますので、敷地がきれいな建築におすすめの手法です。

例えば、「那珂川町 馬頭広重美術館」。

建築裏にある山と神社を眺めてから、美術館に入ります。


7.建築の角を削る


建築の角を削って、入り口にする手法。これによって、都市と建築を緩やかに繋げています。

 
Copyright ©