建築学科は入学後、「イメージと全く違っていた」と思う人がほとんどです。
そうならないためには、入学前に困難を知っておくのが一番!
建築学科に進むべきか悩む高校生や、別の分野から建築学科に転科・転部したい方の参考になればと思います。
私が建築学科に進んだ理由
私が建築学科に進んだ理由は単純でした:芸術と理系科目が両方好きだったからです。
「一生この仕事をするなら、好きな仕事をしたい」と思ったからです。
建築学科が大変だといわれる理由
よく「建築学科は他の学科より大変だと言われていますが、なぜでしょう?私なりに分析してみました:
理由1.高校までの勉強と勝手が違う
建築学科が大変な一番の理由が、大学でほぼゼロからスタートするからです。
政治経済学部なら、入学前からニュースを見ていました。また、生物学科などの理系学科は、小学校から勉強していたので、大学の勉強はその延長上にあります。
一方、建築は、入学前有名建築家の作品を見る事はあっても、自分で設計したことがある人はほとんどいないはずです。
大学で一気に新しい知識が押し寄せてくるわけです。
けれど、他の学科の学生は楽をしているのではなく、それまでの勉強も入れれば、結構な勉強時間になるのです。
理由2.同級生が課題を頑張りすぎる
建築学科は、建築好きな人が多いから、みな課題を頑張り過ぎています。
他の学科なら、10%の学生が超課題を頑張るところを、建築学科は50%の人が頑張っちゃったりします。
なので、「頑張ったわりに目立たない」ことが起こるでしょう。
しかし、1人ができるプロジェクトの数は限られているので、同級生がいくらあなたより優秀でも、将来同じ土俵で戦うわけではありません。
さらに、印刷代などで、年20万は学費以外で必要です。
また、今の時代、設計ソフトを使わない人はいないので、高いスペックのパソコンも必要です。
レポートを書けば良い学科よりは、倍くらいのお金をパソコンにかける覚悟をしましょう。
理由4.徹夜が多い
建築学科は、一学期5回徹夜するのは決して珍しくありません。
しかし、多くの人は、「我が子のように育て上げた建築」を極めたいだけで、本来徹夜は必須ではありません。
五十歩百歩な設計変更に時間をかけないという「ドライさ」があれば免れます。
少なくとも私は大学時代、チームでの課題以外で徹夜はしていません。しかも、不景気なので、会社での残業も減少傾向にあります。
そのかわりに得られるもの
ここまで大変なことを紹介してきましたが、代わりに得られるものは何でしょう?要はいくら大変でも、その価値があれば、報われるわけです。
建築家は敷居が高い職業である
職業は、敷居が高いものと低いものに分かれていて、それによってキャリアパスが大きく変わります。
敷居が高い職業とは、お医者さん、研究者、教授、弁護士など、最初に長期間の勉強が必要な専門職のことです。
一方、敷居が低い職業とは、営業マン、会社の一般職など、1年勉強すればできる仕事です。
設計以外にも、構造、環境設備を勉強しなければいけませんし、ランドスケープ、都市計画も多少知っておく必要があります。
このため、勉強し初めの十年間で、あらゆる苦しみと屈辱を味わいますが、それ以降はわりと順風満帆です。
寝ていればいいという意味ではありませんが、体力があるだけの若者に代替される心配はありません。
そのため、今の大変さは40代、50代の自分のために頑張っているのです。
日常生活に役立つ
建築学科は他の学科と比べて、在学中に学んだことが、日常でも割と役立つ学科です。
確かに、大変なことは両手両足を足し合わせても数え切れませんが、 ただなんとなく4年間を過ごす学科より、よっぽど有意義に過ごせます。
大学は、学歴社会を生き残るための場所で、大学で学んだことが会社の日々の業務で使えるとは期待してはいけません。
大学は、学歴社会を生き残るための場所で、大学で学んだことが会社の日々の業務で使えるとは期待してはいけません。
なので、「大学で手に入ったのは教養だけ」という人も決して珍しくありません。
しかし、建築学科は、建築関連の仕事をすれば最低半分は役立ちますし、将来自分の家を建てたり、リフォームするときにも役立ちます。
プレゼンの練習ができる
建築学科は、人前でよく発表します。図面だけでは伝わらないからです。
私も大学一年では、「何を言えばいいかさっぱり」でしたが、大学院を卒業する頃には、自分の考えを流暢にプレゼンできるまでになりました。
性格も明るくなった気がします。
いかがでしたか?こちらのような、大学顔負けのオンライン授業がありますので、視聴してみて、自分がこれらの困難を乗り越えられるだけ建築が好きなのかを見てみてください。