劇場建築のコンセプトと事例!設計課題におすすめ!

 

最も「人」が主役になれる劇場。

どうしたら「見る人」がユニークな体験ができるのか?
「見る人」と「演じる人」の関係はどうあるべきか?

を考えながら設計するのがポイントです。

また、演劇なのかコンサートなのか、ハイカルチャーなのかサブカルチャーなのかによっても、必要な建築が違ってくるでしょう。

今日は、劇場のコンセプトと設計手法を、実例を交えて紹介します。卒業設計、課題で参考になれば幸いです。

コンセプト1: 敷地を舞台にしてみる

敷地が、演劇の舞台になったら面白いですよね。

例えば、ルイスカーン設計の「ソーク研究所」。春分と秋分の日に、太陽がちょうど水路の向こう側に沈むように設計されています。
これが劇場だったら、素敵な背景になると思いません?

かっこいいだけの建築は評価されませんが、自然と組み合わさってできたかっこいい建築は、高評価が得られます。


コンセプト2:気軽に鑑賞できる劇場を作ってみる

コンサートホールに入るのって敷居が高いですよね。用がなければ、普通ふらっとは立ち寄りません。

そこで、コーヒーを飲みながら見られる、カジュアルな演劇空間を作ってみてはどうでしょう。

例えば、「金沢21世紀美術館」のように、どこからでも入れて、通り抜けられる建築を作ってみるとか。


一部を無料で市民に開放してもいいでしょう。

例えば、スノヘッタ設計の「Shanghai Grand Opera House(上海大歌剧院)」。

中國に建つ歌劇場で、無料で屋根に登ることができます。


コンセプト3: 客席のレイアウトにこだわってみる

客席のレイアウトもこだわってみましょう。それによって、お客さんと演じる人の関係性が変わってくるので。

例えば、Studio Gang設計の「Writers Theater」は、通常のような一段上がった「舞台」がありません。

1列目の観客は、パフォーマンスする人と同じ地面を踏むのです。


コンセプト4: 劇場を街中に散在させてみる

街が舞台となるように、小さな演劇空間を散在させてみてはどうでしょう?普通の劇場では味わえない体験ができそうですね。

実際、ニューヨークには、「The Ride」という、観光バスに乗りながら、街中でひろげられる大道芸を見るバスツアーがあります。


または、RCR Arquitectes設計の「La Lira Theater」。橋と簡単な囲いを設計しているだけですが、周辺住民が簡単なイベントを開けるようになっています。


特徴がある敷地をいくつか選んで、それぞれに対応するように、小さな舞台を設計してみるのです。
 
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