卒業計画や課題でリノベーションをテーマにする建築学生のために、コンセプトと事例を紹介していきます。
ポイントは、リノベ前後で建築がどう変わるかを設計すること。
では早速。
コンセプト1:減築してみる
減築とは「建築の一部を取り除いて、逆にいい建築にしちゃおう」という手法です。例えば、藤本壮介さん設計の「白井屋ホテル」。床を数階分取り除いて、4層の吹き抜けを作っています。
これによって、「建築の目玉」となる空間ができました。
外壁を一部むしり取って、中身を露出させるという手もあります。
例えば、「民生碼頭八万吨筒倉(八万トンサイロ芸術センター)」。中国上海黄浦江沿いの古い工場を芸術センターにリノベしています。
筒状の食料保管庫の一部を切り取って、ガラスで中を見えるようにしています。
コンセプト2:立面に空間を作ってみる
立面に増築してもいいでしょう。
例えば、Lacaton & Vassals設計の「Bordeaux」。
低所得者向け住宅ですが、元の躯体を残し、立面に「ベランダ」のような空間を増築しました。
ビフォー↓
アフター↓
こうすることで、面積が増えるうえ、工事中も、住民は今まで通り住み続けることができます。