敷地が水辺の建築の設計方法。敷地との呼応の仕方

 

建築の卒業設計や課題で、敷地に水辺(海や川)を選ぶ方が多いですよね。図面に青があるときれいですし、課題で疲れた心を癒してくれます(笑)。

では、水辺にある建築は敷地とどう呼応すればいいのでしょう。事例をいくつか紹介しますね。

勉強になる動画

ところで、敷地が水辺の建築の場合、ぜひこの動画を見てみてください。千葉学さんが、「瀬戸内の別荘」の設計過程を説明しています。

瀬戸内海の海辺に建つ個人宅なのですが、「このように自然と関わりたいから、このような形にしている」などを、スタディ模型を用いてロジカルに説明しています。

有名建築家の設計過程を見るのは少ないので、とても参考になります。

呼応方法1.断面で水を取り込んでみる

平面図で水と建築の位置を考えがちですが、断面で考えてみるのもありです。例えば、建築の一部を水面下に埋めてみるとか。

例えば、スティーブンホール設計の「韩国大洋美術館と住宅」。断面図から分かるように、水の下にも建築が一部あります。



こうすることで、地下一階にいる時、天井裏で揺れる水が見えたり、1階に上がってくるときも、水面から出るような感覚を味わえます。


ちなみに、スティーブホールは、子供の頃、湖畔に住んでいたため、このような設計を好むのだそうです。


呼応方法2.平面で水を建築に引き入れてみる

水辺の建築では、「建築と水がどう関わるのか」がテーマになりますが、水を建築に引き入れるような平面にしてみましょう。

例えば、日建設計の「On the Water」。茨城県に建つ別荘です。1階を「コ」の字にすることで、水を囲うような形にしています。


呼応方法3.災害に強い建築を作ってみる

海辺に建つ建築は、津波などの災害を受けやすいのですが、津波にも負けない強い建築を作ってみてはどうでしょう。

例えば、「福良港津波防災ステーション」。

津波の時の避難場にもなるため、波の力をもろに受けないように、曲面で構成されています。また、海風でも錆びにくいコルテン鋼で作られています。
 
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