建築コンセプト模型とは?事例と共に紹介

 
「コンセプト模型」という単語を聞いたとき、頭の中は「?」だらけでした。

「コンセプトを模型にするって、私への愛を形にして見せてよ!」って言っているようなものじゃないですか(笑) 

苦労してやっとコツがつかめましたので、今日は、「建築コンセプト模型とは?」を事例と共に紹介していきます。

建築コンセプト模型とは?

コンセプト模型とは、

建築の一番の見所を重点的に表して、その他は大体で構わない模型

と理解した方が分かりやすいです。

設計の一番最初に作って、具体的に形に落とし込むための手助けをしたり、

設計終了後に作って、他人に建築を説明するのに使ったりします。

雑誌で見る有名建築のコンセプト模型は、後者の可能性が高いです。設計中はいっぱいいっぱいで、正直コンセプト模型にまで気が回らないので。

では、具体的なコンセプト模型の事例を見ていきましょう。

手法1.模型素材を変えて、取り出せるようにする

例えば、OMA設計の「KaDeWe Department Store」。古いデパートのリノベーションプロジェクトです。

建物を四部分に分けて、それぞれに新しい階段を挿入することで、上下階の人の流れをスムーズにしています。

コンセプト模型がコチラ:
新しく挿入した階段はアクリルで表現して、古い部分と模型素材を変えているのがわかりますね。

ちなみに、コンセプト模型に、こうやって人の手を写すことはよくあります。


手法2.フォルムが特徴的な建築は、形を抽象化して表現する

形に特徴がある建築は、コンセプト模型で形をもっと分かりやすく、簡単に表します。

例えば、伊東豊雄さん設計の「台中国立歌劇場」。

内部空間が特徴的で、洞窟のような形状が上下左右につながっています。

そのコンセプト模型がこちら:

メッシュ素材で表しています。

実際に使われる建材と違いはありますが、コンセプト模型では問題は全くありません。

ちなみに、こちらでも手を写し込んでいます。

手法3.初心者は、スタディ模型を作る

ところで、コンセプト模型は、建築を抽象化したものなので、まだ造形力がない建築学生にとっては、けっこう難しいのです。

「りんごを見たことがない人は、りんごの抽象画は描けない」のと同じです。

そういう方は、コンセプト模型に固執するのではなく、スタディ模型を作りましょう。

スタディ模型とは、建築の形や材料を決めるために色々な素材で模型を作ることです。

材料で数個作ってみて、一番良いのを選ぶようにしてください。

こちらは、Christian Kerez/Beijing Culture Centerのコンセプト模型↓ 



OMAのスタディ模型↓ 


ちなみに、OMAのインターン生のブログで読んだのですが、コールハースはスタディ模型を一つの材料だけで作ると、怒るそうです。 過去に青いスタイロを一ヶ月間使用禁止になったとか(笑)

有名な建築家でさえこれだけスタディ模型を作っているわけですから、建築学生のみなさんは、もっと必要ですね。


コンセプト模型の参考サイト

コンセプト模型の事例は、こちらのサイトが参考になります:
https://conceptmodel.tumblr.com/
 
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