建築卒業設計のための敷地の選び方!

 

今日は、「卒業設計の敷地の選び方」について。コンペでも参考になれば幸いです。

アートと違い、「敷地との呼応」が、建築の魅力の一つですよね。つまり、敷地が特徴的なら、建築も個性的になりやすいのです。

そのため、敷地を「束縛条件」と捉えずに、設計の手がかりだと考えましょう。

1.都市軸がある敷地を選んでみる

人間の指紋のように、都市にも固有の方向性が存在します。これを「都市軸」や「都市グリッド」または「アーバンファブリック」と呼びます。

例えば、ニューヨークは格子状、パリの中心部は放射線状の都市軸を持ちます↓

都市軸は、住民が長年培ってきた記憶なので、新しい建築でも継承するとポイントが高いです↓


2.独特な景色がある敷地を選んでみる

敷地周辺に独特な風景がある場合、その風景を抽象化して、建築のデザインにすることができます。

その代表例が、フランク・ロイド・ライトが確立した建築様式「プレイリースタイル」 。

それ以前、アメリカでは、ヨーロッパの伝統建築様式である「ゴシック調建築」が主流でした。細くとんがった屋根と、垂直線を強調したファサードを持つスタイルです↓

しかし、これは広大な平原が広がる、アメリカ中西部の風景と調和しているとは言えません。

そこでライトは、水平線を強調した住宅を設計したのです:横長の平屋根があり、窓も横長に連続して、室内から室外の景観を一望できたのです。

「プレイリースタイル」の代表作、イリノイ州のウィリッツ邸↓



3.既存建築が特徴的な敷地を選んでみる

敷地周辺の既存建築が独特な敷地も、新しい建築に転換しやすいので、おすすめです。

例えば、スケールが小さい建物が多い敷地に、1つの大きなボリュームをドーンと置くのではなく、

このように、ファサードを分割したりできます↓

既存建築と同じ建材を新しい建築にも使っていいでしょう。



4. 気候が特徴的な敷地を選んでみる

敷地が熱帯にあったり、降水量が多い地域にあると、建築の形に影響します。

例えば、Elemental設計の「Innovation Center UC」。 地中海性気候である、チリ・サンディエゴに建つオフィスです。

夏に日差しが強いので、近代オフィスのようにガラス外壁を使うのではなく、外壁に石材を使って閉ざしています。

エレベーターもこのソリッドな外壁に収めているので、中は逆に全面ガラスにできます↓

 
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