
10年前の建築家は、BIMが使えると「すごい!最先端」と思われていましたが、現在では建築家にもプログラミングスキルが必須になりつつあります。
実務においても、プログラミングを活用する場面が増えました。しかし、プログラミングは一部の建築学科でしか教えられておらず、日本語の教材も非常に少ないのが現状です。結果として、プログラミングを使いこなせる建築家はほとんどいません。
プログラミングでどんな建築ができるのか?
まず、プログラミングを使うことで、どんな建築が実現できるのかを見てみましょう。
1. 複雑な建築ができる!
プログラミングを使うことで、材料一つ一つの方向や形を指定することができ、複雑な建築表皮をデザインすることができます。

また、スペインにある「メトロポール・パラソル」は、ハミカム構造を用いて作られました。
完成当初、世界最大の木造建築として注目されましたが、一つ一つの部材が異なるため、伝統的なソフトウェアでは設計変更があった場合に非常に手間がかかります。
しかし、パラメトリックデザインを活用すれば、建物の外形を変更するだけで、構造体も自動的に更新されるようにプログラミングすることが可能です。
3. 自己生成する建築を作れる
「Generative Architecture(生成的建築)」と呼ばれる手法です。
簡単に言うと、建築家が必要最低限の条件を指定すれば、後はコンピュータが自動で設計を行い、建築家はその中から好みのデザインを選ぶだけという方法です。
ライノとプラグインをマスターしてから、プログラミングを始める
「プログラミング」と言うと、英数字が並ぶ画面を思い浮かべがちですが、

建築設計者が最初に行うべきは、ライノとそのプラグインを使いこなすことです。プログラミングを始める前に、このツールを習得することが重要です。
そもそも、ライノ、特にグラスホッパーは、「デザイナーでもコードを書かずにプログラミングできるソフト」として開発されました。
現在では、建築、都市計画、機械工学、アニメーションなど、多くの分野でライノのプラグインが開発されており、ほとんどの建築はライノを使って設計できます。